東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

「よろず相談」でつながっていた癌患者の一例

 立川相互ふれあいクリニックでは、貧困格差、超高齢社会に立ち向かう無差別平等の医療・介護の実践を進める一歩として、2018年にクリニック内1階の医療連携室に「よろず相談窓口」を掲げ、相談コーナーを設けました。今回は、転院となった後も窓口相談を続けた方について報告します。
 A氏は市内に転居してきたばかりの60代独居の男性。3ケ月前から飲み込みが悪いなどの症状で受診され、検査の結果、進行食道癌、リンパ節・肝転移が判明。治療意欲が高く、化学放射線治療を希望。病院紹介から医療連携室が関わり、T病院への早期受診を調整。ここでA氏との関わりはいったん終了しました。
 すると翌月に「よろず相談」へ来院。不安な表情で、誰に相談したらよいか分からない様子です。お話を伺うとT病院の対応に不安があり、S病院へ転院したいということでした。一緒に問題を整理し、T病院で相談するようお伝えしました。「また困ったことがあればいつでも相談に来てください」と声を掛けると表情も明るくなりました。後日、S病院へ転院できたと報告に来てくれました。
 半年後、化学療法が終了し、終末期の治療場所を相談したいと再び来院。当院へ通院し、体調変化があれば法人内の病院へ入院して、希望のホスピスへつなぎました。
 A氏から「ここで良かった。ありがとう」の言葉がありました。「よろず相談」でいつでも話せることが「安心」につながったと思います。
 「よろず相談」の内容は診療相談から生活全般にわたります。お話を伺って問題を整理し、解決の糸口をみつけて専門分野へつなげることが重要です。「ふらっと来て相談する場」「ちょっと困ったことを聞く場」として、今後も多職種と協同で相談活動していきたいと思います。
(立川相互ふれあいクリニック・2025年2月号掲載)