訪問看護師になって思うこと
訪問看護師になって思うこと
看護師として働き始めて26年。約20年の病院勤務を経て、現在訪問看護師として働いています。訪問看護師として働こうと思ったきっかけは、ただ単に自分のライフスタイルに合った職場環境だったからです。こんな安易な理由で訪問看護の世界に飛び込んでしまった私は、病院看護と在宅看護とのギャップに圧倒される毎日でした。
病院勤務の頃は、どちらかというと患者の病気に焦点をあてて看護をしてきました。検査し、手術等の治療を行い、無事に退院できれば目標達成でした。
それに対し在宅看護は、病気を持った療養者やその家族の生活に焦点をあてて看護をしなければなりません。ご家庭でのルールや経済的なこともふまえながら、生活に合ったケアを考えていく必要があります。時に自分が今まで普通だと思ってやってきたことが、その家庭ではそうではなくお叱りを受けたこともありました。また経済的にとても厳しいご家庭では、色々なものを代用して使うことも多くあります。最初は覚えることも多いし、慣れないことばかりで大変でした。しかし今では訪問看護師になって良かったと思っています。
療養者やその家族によりそい、じっくりとコミュニケーションをとりながらみんなでケアを考えたりします。長いお付きあいになってくると人生の先輩として時にご指導をいただいたり、そんな時間が今の私にとって楽しくもあり、有意義な時間となっています。このような経験は、業務に追われがちな病院勤務ではなかなかできなかったことだと思います。
訪問看護師としてまだまだ未熟ではありますが、これからもたくさんの経験を積み、療養者が在宅でより自分らしく生活していけるよう、お手伝いができればと思っています。
(コープ訪問看護ステーション・2024年12月号掲載)