東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

診療所待合室での変化に気付く ~待ち時間は問題なのだが~


 当院は東久留米駅から徒歩7分、外来中心の内科の診療所です。定期通院の継続を阻害する要因の一つに待ち時間の問題があります。「あとどのくらい?」「まだ呼ばれない」との声に、持ち場を離れ順番を確認しに行くこともしばしばです。掲示板に番号を表示、携帯でお知らせするシステムをつくるなど考えはありますが、今はそうはなっていません。
 すこしでも退屈せぬよう、組合員の方による作品を展示しています。診察室で要件がわかりやすいようあらかじめ看護師がお話を聴いたり、検査の順番や予約枠を工夫したりしていますが、時間通りに運ばないことも多くあります。コロナ禍では密にならないよう、来院時から「混んでいてお待たせしています」とあらかじめご案内し、外出のお誘いや、車での待機のお願いをしました。
 待ち時間が長くなっていると感じると持ち場を少し外し看護師は待合室に出ていきます。「お待たせしています。あと〇番目でお呼びしますね。」「次は○○さんですが、先生が書類を作成しているので少しお待ちくださいね」など声をかけます。
 その中で、診察室ではわからない患者さんの一面をみることも少なくありません。「ありがとう」「いいのよ。待つつもりで来ているから」と声をかけてもらったり、実は仕事をぬけて来院していることを知ったり、患者さん同士が話しているのを見て、幼馴染や元の同僚であることを知ったりします。いつもはスタッフと話し込む方も、「今日は混んでいるから、このくらいにしておきます」と協力していただいているのを実感するときもあります。
 待合室でちょっとした変化に気付くこともあります。今は支援の必要がなさそうな方にも、今後、何かあったときには相談をしていただけたり、様々なお話しができるような関係作りのひとつになっているのではないだろうか。お待ちいただくのは大変申し訳ないが、貴重な時間を無駄にせぬよう、今後も看護に活かしていきたいです。
(富士見通り診療所・2023年6月号掲載)