東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

看護学校の平和教育

 東京勤医会・東葛看護専門学校では、日本国憲法と平和と医療をテーマとした研修旅行が3年次にあります。今年度卒業した17期生は、開校以来初めて北海道研修を行いました。その学びの一部を紹介します。
 北方領土問題では、すぐ目の前に見える島との間に国境線があり、ある日濃霧で国境線を越えた若者がロシア船に撃たれて死亡した事実を知りました。
 島の返還運動をされている方からは「ある日、突然島を裸同然で追い出された。皆さんの住んでいるところでこんなことが許されますか?これは日本の主権の問題なのです」と訴えられました。
 戦争問題は未だ解決されていないこと、たたかっている方々がいることを知りました。
 自衛隊の矢臼別演習場の真ん中の農場に住んでいる渡辺佐知子さんからは、「私はただ大好きな牛と普通に生活したいだけ」「普通に生活したいというこの思いは自分のわがままなのか、と悩むときに日本国憲法を読むと、これでいいんだと元気をもらう」と話され、今憲法がまもれず、主権在民になっていない現状を知りました。そして知らないことの多さに驚きました。
 また現地で社会矛盾と向き合い暮らし、たたかっている方々のすごさにも驚きました。事実に真摯に学ばなければなりません。同じ過ちを繰り返さないよう、間違いは間違いと主張し、たたかわなければ人権は守れないと思いました。
 研修旅行では現地で生活したたかっている方々に直接語っていただくことで歴史の事実を知らなかった自分に出逢いいます。またなぜ知らなかったのか考え、これからどうしていけばよいか考える出会いでもあり契機でもあります。そうした様々な体験が、学生を学びの主体者に変えていきます。
 患者の事実をとらえるということは歴史の事実に学び、過去から未来へのつながりが分かることです。そこから看護師になる自分の未来が見えてきます。
 改めて研修旅行の意義を確認し、東葛看護学校の平和教育をこれからも追求し、発展させていきたいと思います。
(東葛看護専門学校・2014年4月号掲載)