看護の愛は熱い!! 6南病棟
私が働いている立川相互病院6階南病棟は、院内唯一の循環器単科の病棟で、心不全・心臓カテーテル検査・ペースメーカー手術など循環器疾患の患者様を中 心に、内科疾患の高齢者、認知症患者様も多く入院しています。病床数は20床。半数以上が若手看護師という1チーム構成の病棟です。
私たちは質の良い看護の提供を念頭に、患者様のために何ができるかを考えながら、チーム一丸となり日々看護を実践しています。
Oさんは心房細動で通院されていた80代の一人暮らしの男性で、入院前から皮疹が見られ、食欲低下を主訴に入院。入院後に皮疹悪化で皮膚科受診し「尋常性天疱瘡」と診断されました。
皮膚のビランは顔面・口腔内・体幹・陰部と全身に及び、毎日の洗浄、軟膏塗布など処置に要する時間は1時間あまり。持続する創部の痛み、食事量の減少で 栄養状態悪化、多量のステロイド投与による易感染状態、高齢、認知症などOさんを回復につなげるには多くの問題がありました。
それらの問題に苦慮しながらもカンファレンスで対策を練り、皮膚科医師・皮膚排泄ケア看護師・NSTの介入など各分野とも連携しながら日々のケアにあたりました。
Oさんがもっとも苦痛であった創処置。時間短縮のため常時2人の看護師が処置に入り、処置中も方法確認できるようポスターにしてベッドサイドに掲示。体幹保護は包帯でなくベスト様の保護着衣を作成するなど工夫を重ねました。
Oさんは敗血症・肺炎で最期を迎えることになりましたが、私たちはOさんから今後の看護に生かせることを多く学ばせていただきました。Oさんへの看護を 振り返り、創処置方法や疼痛コントロールの視点が弱くなかったか、など考えさせられる点もありました。
若手スタッフが多い病棟で経験は浅くなりがちですが、患者様に対する看護の愛は熱くチームのパワーの源だと思っています。チーム内のカンファレンスと同 様、各専門分野とも連携を取りながら、患者様にベストな治療・看護が提供されるよう努力していきます。
(立川相互病院・2011年8月号掲載)