東京民医連

輝け看護!

みんいれんTOKYO(機関紙)の「輝け看護!」コーナーから

健診からみえるもの、伝えたいこと

 『特定健診・特定保健指導』という保健予防活動に重点を置いた健康保険制度が2008年4月から変更となり、保健指導に対応するため、私が保健師として 異動してきて早4ヵ月が経とうとしています。今までは訪問看護ステーションで働いており、対象とする年齢も身体状況も全く違うので、とまどいもありまし た。
 健診センターという部署は、みなさんも健診目的で年1~2回来院するくらいで、あまり馴染みのないところかもしれません。しかし様々な健診活動で、代々 木では昨年に比べて健診受診者は倍増しています。二次健診で病院を受診される方も増加すると予測されますので、みなさんもぜひ健診センターの活動に目を向 けてみてください。
 代々木病院の健診センターは、近隣の企業健診や区民健診、土建などの集団健診、出張健診、職員健診、ガン検診(婦人科含む)、人間ドックを行っています。
 健診結果が出たあとは保健師や看護師が再検査、精密検査のご案内をしたり、異常値が出た場合は電話で連絡をすることもあります。婦人科のがん検診では、二次検診のため大学病院などを紹介することも少なくありません。
 一方、糖尿病予備群の増加などニュースで耳にすることも増えているはずなのに、健診結果に注目せずほったらかしの人も意外に多く、驚きます。
 つい先日も家族性の糖尿病が疑われる方が受診されました。昨年も代々木病院で健診を受けているのに受診につながっておらず、慌てて電話で受診を促しました。
 反対に、異常があっても受診できないほどの労働環境かな、と思える方もいらっしゃいます。残業が多く、自覚症状が多いのに、通院歴がない場合は、おそらく通院もままならない状況で、この健診結果を待っているんだろうと想像できます。
 健診の結果を踏まえて生活を見直してもらうことが健康を維持するためには必要です。高脂血症の比率がとても高くなっていますが、これも食生活や日常生活 が変化してきているからではないでしょうか。一人ひとりの状況をできる限り把握し、その人に合った指導内容にしていきたいと思っています。
 土建の集団健診の場合は、結果説明会が平日の夜に行われ、保健師や看護師からの説明と個別相談を行っています。先週は60人の参加がありました。やはり 顔を見て話をすることでご本人も安心されますが、私たちも気になるデータの方が来られると、ほっとします。このような結果説明会や個別相談は、他の一般健 診を受けた方にも提供できるよう検討していく必要があります。
 『特定保健指導』は制度の混乱の中、いまだ保険者から保健指導の依頼はありません。はじまると大変さは増えるでしょうが、予防に対する効果は高いので、私も研修や学習会などで知識や方法を勉強中です。
 まずは医療機関で働く職員が健康で、笑顔で働けるよう、職員健診の受診率と二次健診への受診率アップが目標です。みなさん、よろしくお願いします。
(代々木病院健診センター・2009年3月号掲載)