東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 ▼9月26日、静岡地方裁判所は58年前、静岡県で一家4人が殺害された事件の再審で、有罪の決め手とされてきた衣類や自白調書などの証拠を捜査機関がねつ造したと指摘、袴田巌さんに無罪判決を言い渡した。検察は控訴せず、死刑が確定した袴田さんの無罪が確定した▼元裁判官の木谷明弁護士は「この事件で裁判所が捜査機関のねつ造を指摘するのは三度目で、検察側は事実認定をひっくり返すのは難しいと判断したのだろう」と話している▼袴田さんは事件直後に逮捕され、再審開始決定を受け、死刑と拘置の失効が停止されるまでの48年間、死刑囚として拘禁された。取り調べは、休まず1日平均約12時間、長い日は16時間以上行なわれ、水も与えずトイレにも行かせない。時には暴力をふるって精神的・肉体的拷問が繰り返された非人道的な取り調べにより自白が強要された▼10月11日、ノルウェーのノーベル委員会は、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)にノーベル平和賞を授与すると発表、被爆者たちの68年の活動をたたえた。受賞は被爆者の揺るがない決意と地道な運動、そしてたゆまない努力によるもの▼来年は被爆80年。被爆者の平均年齢は85歳を過ぎている。唯一の戦争被爆国として私たちが被爆者の思いを引き継ぎ、「核兵器のない世界」をつくろう!(理)