東京民医連

ニュース

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典へ小池都知事は追悼文を8年間連続送らなかったことが報道された。今年の2月には県立公園「群馬の森」にあった朝鮮人追悼碑が代執行により強制撤去された。期を同じくして偶然起きた事柄ではない。碑の撤去にあたっては、こちらも足掛け8年、最高裁まで争い「設置の不許可」が確定したに過ぎないが、県知事の判断で代執行により撤去に至っている▼君が代や日の丸が国歌・国旗にふさわしくないと、いくら訴えても変わらないが、自分たちに不都合な歴史を無視・撤去してしまうことはどうなのだろうか。仮に「原子爆弾の投下による死傷者の数は日本人の大風呂敷だ」「原爆資料館などは撤去すべきだ」とアメリカが言い始めたら、彼ら歴史修正主義者たちはどう対処するつもりなのだろうか。戦争は人権を蔑ろにする。こうしたかつて支配した国々や人々に対する人権を踏みにじった出来事を忘れないよう後世に伝えるための行為を反日と称し、目の敵にする思想からは世界平和は望めないのだ▼「たかが追悼文」「碑が紛争のもとになっている」などといった軽い他人事のような問題ではない。これまでにない国家予算を注ぎ込んだ大軍拡が推し進められようとしている今、歴史から学ぶのか、歴史を繰り返すのかが問われている。(酒)