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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

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 ミャンマー国軍がクーデターで実権を掌握してから約3年が経過。ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのパレスチナ自治区ガザ侵攻などにより、国際情勢では、報道されることは少なくなった▼軍と少数派武装勢力との戦闘で内乱の様相が深まり、国内経済は急速に悪化。国連開発計画(UNDP)は、国民の約半数が貧困ライン以下の日常生活を送る苦境に陥り、中間層の存在が消滅する瀬戸際まで追い詰められていると公表。物価高騰で各世帯は食費、医療費や教育費の切り詰めを強いられている。現在も戦闘は一段と激しく国民は日常生活を失い、事業継続を断念した企業も拡大▼かつて軍政から民政への移管後、経済、政治改革もあり貧困率削減を達成。2016年には東南アジアで最高の経済成長率も誇った。しかし民主化運動指導者アウンサンスーチー氏率いる政権がクーデターで崩壊して以降、事情は一変。コロナ禍でさらに逆風に。UNDPによれば国民の約4分の3が貧困ライン層へ突き落とされる忌むべき状態がまさにあると指摘▼この原稿を書いている6月19日はスーチー氏79歳の誕生日。現在も30年近い刑期が残っている。民主化を取り戻すための「選挙」が実施されることを願いつつ、今後のミャンマー情勢にアンテナを高くしていこうと思う。(輝)