東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

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 2024年3月22日水俣病被害者救済法(特措法)で救済されなかったのは不当として、国と熊本県、原因企業のチッソに損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は原告の請求を棄却した。しかも原告144人のうち25人を水俣病と認めながら除斥期間を適用し、賠償請求権が消滅しているとした▼2023年9月の大阪地裁判決では、民医連医師を中心に、患者を診察し水俣病と診断した「共通診断書」の信憑性を認め、かつ「起算点は、検査などに基づいて水俣病と診断されたときである」として除斥期間の適用をせず、128人全員への賠償を命じた判決からは大きく異なる結果となった▼今回の熊本判決は「共通診断書」だけでは信用できないとし、公的検診にて認定された25人のみを水俣病と認定。うち20人は特措法の対象区域外の原告であり、国の救済策から漏れた原告がまだまだ存在することの証左といえる▼ノーモア・ミナマタ第2次国賠訴訟は現在、熊本・大阪・新潟・東京で、合計1、784人が救済に向けた闘いに挑んでいる。国や熊本県、チッソは責任を認め「あたう限りすべて救済する」とうたう特措法の精神に従い、全ての水俣病患者救済に向け早急に解決策を打ち出すべきだ。患者救済に尽くした故原田正純医師が仰った通り「水俣病は終わっていない」。(津)