東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

報酬制度改善運動の前進と経営を守る活動を
根岸京田会長のあいさつ

 新型コロナウイルス感染症の脅威が続いている中、こうして6年ぶりに対面で総会を開催できることを非常に喜ばしく思います。また今この瞬間、職場で大変な業務に携わりながら代議員を送り出してくれている職員の皆さんにも感謝を伝えたいと思います。
 前回総会以降、6人の東京民医連の仲間がお亡くなりになりました。謹んで哀悼の意を表し、ここで57回総会の名のもとに黙祷を捧げたいと思います。
 今年元旦に発生した能登半島地震は、2ヶ月半が経過した今もライフラインの復旧が十分には行われておらず、不便な避難生活を強いられている方が未だ8千人余りいらっしゃると報道されています。生業の復旧は緒に就いたばかりであり、1日も早く人々の生活が安定し、再び穏やかな日常が訪れることを願わずにはいられません。被災した石川、富山、新潟、各県連の民医連職員の皆さんの頑張りや全国から寄せられる支援、駆けつけた仲間の活躍に頭が下がる思いです。人々の困難あるところに民医連ありという真価が発揮されています。13年前の東日本大震災でも全国から職員が支援に駆けつけ、民医連の底力といいますか、連帯の強さを感じました。
 一方、被災された方々への行政の支援は乏しいままです。プライバシーが保たれないまま冷たい体育館の床に雑魚寝するという姿は13年前と変わっていません。人口が少なく交通インフラの弱い地域での災害とはいえ、孤立集落が解消されず、また地域によっては水や食料が届かないなど、この国の災害対策というものを根本的に考え直す必要があると思います。ましてや志賀原発に過酷事故が発生しなかったのはまさにラッキーでしかないのです。地震大国にこれだけ多くの原発があるということの恐ろしさを改めて再認識させられました。
 海外に目を向けますと、ウクライナやガザでの戦闘が止まりません。国際社会の努力が続けられていますが大国の思惑が交錯する中、国連がその機能を十分に発揮できていません。人類は地球全体を巻き込む気候危機を前に、一致点を探して共同行動をしないと地球が持たないという状況にあります。仲間内の諍いさえも解決できず、最大の環境破壊であり最大の健康阻害要因である戦争も止められずにいます。
 今年は世界的に選挙イヤーと言われています。アメリカの大統領選挙をはじめヨーロッパの議会選挙など、今後の国際情勢を決定するような重要な選挙が目白押しです。選ばれるリーダーたちが何を訴えて世界をどう動かすか。まさに今後の人類の将来を決めると言っても過言ではありません。日本を含めた世界の人々の英知と良識に期待したいと思います。
 しかし日本の政治の劣化は目を覆うばかりです。統一教会の問題も裏金問題も解決にはほど遠く、現政権にはよりよい社会を実現するために、国際社会に働きかけようという気概も意欲も感じられません。7月には東京都知事選挙、年内には総選挙も予想されています。ケアが大切にされ、人々の健康と幸せが守られる社会を実現するため、私たち1人1人の行動がとても重要な1年になると思います。
 医療界に目を向けますと、今年の診療報酬・介護報酬改定は最悪です。コロナ禍で傷ついた医療・介護業界にさらに追い打ちをかけ、潰れても構わないという開き直りの姿勢ともとれる内容です。人も物もお金も常に逼迫した状況で、必死にコロナと闘ってきた業界への仕打ちは「社会保障制度の削減・改悪ここに極まれり」ではないでしょうか。
 ここで心を折られては相手の思うつぼです。非現実的な報酬制度の改善を求める運動を進めつつ自らの経営を守る活動、まさに「たたかいと対応」が必要になります。本総会を社会保障に対する攻撃を跳ね返す決意を固める場としていきたいと思います。
 本総会の目的は第57期の方針を明らかにすること。6時長計の策定。第56期決算と第57期予算の承認と新役員の選出です。総会終了後には70周年記念式典も予定されています。代議員の皆さんの活発な議論で有意義な2日間にしていきましょう。積極的な討論をお願いします。