東京民医連

ニュース

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 2024年度医療・介護・福祉のトリプル改定。なかでも話題にあがっているのが、訪問介護の基本報酬が引き下げられたことだ。それにしても国は介護のことをどのように考えているのだろうか▼介護のニーズが増えている中、介護人材の確保は困難を極めている。特に訪問介護を担う人材の有効求人倍率は15・53倍という状況である。介護従事者の給与を全産業平均並みにと威勢のいい掛け声は聞こえてくるが、今年の大企業の春闘の賃上げ率は5・28%に達した一方、介護職員の処遇改善分は+0・98%。これでは人材流出が続き、新しい人材は入ってこない▼国は上位の処遇改善加算を取得すればプラスになるといっているが、小規模事業者では対応が難しいのが明らかだ。介護のしごとの魅力を発信し、イメージ向上をはかる取り組みがされている。しかし思いがあっても、ここまで報酬に差があると、介護のしごとを選ぶ人は増えないし、まわりはすすめない。人口減の時代、このままでは介護人材は減る一方である。抜本的な改革をすすめない限り、介護を担う人材はいなくなり、日本の介護は崩壊する▼元首相は介護離職社会ゼロを掲げていたが…。全てロボット化するつもりだろうか。介護は楽しい。やりがいがある。これに報いる報酬になることを切に願いたい。(大)