第2回まちづくり実践交流集会開催
「地域まるごと健康づくり」の促進を
国際HPH広島大会に参加しよう
第2回まちづくり実践交流集会開催
「地域まるごと健康づくり」の促進を
国際HPH広島大会に参加しよう
7月20日、東京民医連共同組織委員会主催で「第2回まちづくり実践交流集会」を開催しました。
(1)「まちづくり」の先進事例から教訓を汲み取り、職員と共同組織の役員が「まちづくり」のイメージを持ち、各法人・共同組織が今期の具体的課題を明確にする。(2)東京民医連各法人・事業所や共同組織の「まちづくり」の取り組みを交流し、「共同の営み」としてのまちづくり運動を促進することの2点を目的に、62カ所から80人以上が参加しました。
齋藤文洋まちづくり・HPH委員長が講演
前半は東京民医連まちづくり・HPH委員長の齋藤文洋大泉生協病院院長が「HPH(ヘルスプロモーションホスピタル)の取り組みとまちづくり」と題して講演しました。
「HPHとは何か?」から始まり、次に「まちづくりとは?」、最後にHPHとまちづくりの関係について話しました。
WHOがアルマアタ宣言(1978年)で健康が基本的人権であることを明記し、「2000年までにすべての人に健康を」と目標に掲げプライマリヘルスケアを提唱しました。
その後、オタワ憲章(1986年)はこの目標を達成するために以下の5つの方策を提唱しました。
(1)健康に関する公共政策の樹立、(2)支援・支持環境の整備、(3)地域活動の強調、(4)個人のスキル開発、(5)医療保健機関の意識改革。
この5つの方策は、健康の社会的決定要因(SDH)を解消し、健康格差をなくして、すべての人が健康になることにつながります。「保健医療機関が取り組むHPHとは意識改革して、SDHを解消し、健康づくりをすること」であると話しました。
次に「まちづくり」とは何か。幅広い概念であり、定義は定まっていませんが、民医連のめざすまちづくりについて「0次予防」=住まいや自然環境、高齢化などの環境の整備・調節にあります。それはすなわち「SDHの解消」と説明しました。
そして健康づくりやフードバンクなど東京保健生協をはじめ、民医連と共同組織が取り組んでいるHPHの活動こそが社会的処方そのものであると、SDHを解消する活動であり、まちづくりとHPHの関連性を説明しました。
「まちづくり」は「HPH」の基本となるもの。民医連は従来から「地域まるごと健康づくり」をすすめています。これが「まちづくり」につながるとして、職員、共同組織に「地域へ足を踏み出そう」と呼び掛け、講演を終えました。
4法人が積極的な取り組みを報告
後半は4つの法人から取り組みの報告がありました。
NPO法人たんぽぽ会の取り組みは、総合事業の通所介護としてサロンを運営し、子ども食堂や無料塾を行い、その人らしく、安心して住み続けられるまちづくりに寄与している。
三多摩健康友の会からは、職員と共同したまちづくりとして取り組んだ「20年間実施した大腸がん検診」のまとめ。会員の1割が実施し、がんの早期発見治療につながり、会員から喜ばれていること。外科医師が積極的に地域で話していることが受診につながっている。
東京保健生協からは、訪問看護の依頼からつながった(一社)コミュニティネットワーク協会が運営する空き家を利用した住居支援「共生ハウス」の見学について。今後、つながりを深めて生協の活動にも取り入れ、活用したい。
東京ほくと医療生協からは、「気候危機に対してできること」。参議院選挙候補者への公開質問状、組合員へのアンケート、荒川河川敷の清掃活動を行っている。地域住民からの関心が高く、今後の活動にも多くの人を巻き込んで広げていきたい。
今後もまちづくりとHPH活動を強化
どの報告も活動の参考になったようです。
「まちづくりについて難しく考えていたが、これまで取り組んできた活動がそのものがまちづくりであり、職員とともにすすめることでHPHの活動でもあることがわかった」などの感想が寄せられています。
今後も東京民医連のまちづくりとHPH活動を強化し、来年開催される国際HPHカンファレンス広島大会には、すべての法人・共同組織から参加しましょう。