東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 「知らないうちに不妊手術や、子宮摘出を受け、成人になって子どもが生まれない理由が最近になってわかった」。旧優性保護法問題の学習会でこのような被害者の声を聞き、衝撃を受けた▼問題は、健康な子孫(=優生)だけ選り分けて残すべきとする価値観が根底にあることだ。健全でないと判断した場合、親や教員、医療者などが障害者へ温情主義的に関わり、本人の将来を案じ、良かれと思い強制不妊手術が行われたことである。このようなことを考えながら、「この制度があった時に声をあげることが出来ただろうか?」と自問する。国の制度としてあるものには、声をあげるどころか大義名分として疑問視することすら出来なかったと思う▼国連障害者権利委員会の審査で、障害者の権利が守られているかが評価された。日本への総括所見は、障害者の施設収容を廃止し地域で自立して生活できるような支援を行うことなど障害者の自由を奪う法令の廃止を求めるなどの課題を指摘した内容であった。また日本は諸外国と比べても、障害者の人権は国際水準よりも低い状況だ▼優生保護法問題を過去の問題と捉えず、人権や倫理の課題、社会や政治との関連性、そして私たちの仕事のあり方について、今こそ検討を深めて行くことが求められていると思う。(たけ)