東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

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 介護保険がピンチだ。来年の介護保険改正に向け、史上最悪の改悪案が議論されている。介護の社会化を謳ってスタートした介護保険制度。厚労省のホームページによれば、「介護が必要と認定された場合いつでもサービスを受けることができます」と書いてある。ところがこれまで改悪が繰り返され、いざ介護が必要な時、使いづらい制度となっている▼今回も利用者負担2割の対象を拡大する案などが提案されている。全日本民医連が行った調査によれば、現在の2倍の利用料になった場合、利用を減らしたり、中止する可能性があると答えた人が約35%にのぼる。またコロナ禍で負担が大きかった介護現場は離職も増えており、地域によっては介護人材不足でサービスを受けられない事態も生じている。やるべきことは、いつでもどこでもだれでも必要な時に介護を受けることができるようにすることだ▼今回は改悪案の多くを、国民の声で跳ね返したが、一部の案は夏まで結論を先送りされている。先送りされた案は国会審議を得ずに、政令や報酬改定で進められようとしている。介護保険の改善を求める声をさらに大きくする必要がある。子育て支援も医療・介護の充実も、日本で安心して暮らすためにはどちらも必要。世代間の分断を許してはならない。
(藤)