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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

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 ロシアによるウクライナ侵攻から1年がたった。事態の収束の見込みは立っておらず、NATO諸国とロシアの代理戦争の様相を呈しており、ベトナム戦争やアフガニスタン戦争、日中戦争のような泥沼化が懸念されている。一刻も早い停戦のために、世界各国が知恵を寄せあうべきだろう▼そんな時期に岸田政権は「安保3文書」を見直し、敵基地攻撃能力の保有、事実上の先制攻撃を可能とする閣議決定をおこなった。そして防衛費をGDP比2%を超えて大幅に増額し、5年間で43兆円にするとした▼多くの人たちは、一方的に侵攻されたウクライナの状況を見て「戦争は反対だけど、日本もある程度の軍備は持たないと」と思うかもしれない。しかし、今回の「安保3文書」改訂の大本には、2015年に第二次安倍政権が強行した安全保障関連法による「アメリカとともに戦争する国づくり」のシナリオがある。ウクライナ情勢は関係なく、口実にすぎない。しかも、今回増額される防衛費の大半は安倍首相時代からの莫大な兵器ローンに消えるそうだ▼武力で平和は守れない。暴力によって一時的に勝利したかに見えても憎しみは残り、報復が繰り返される。抑止力路線は国家間の際限ない軍拡競争を生む。日本の憲法9条が力を持てるよう、政権の暴走を止めるのは私たちの役割だ。(葉)