東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 現在日本人のうち2人に1人は何らかのがんにかかるといわれ、私たちにとって身近な病気となっている。国立研究開発法人国立がん研究センターの調査では、累積の羅患と死亡のリスクとして男性が生涯にかかる確率は65・5%、がんで死亡する確率は26・7%。女性の場合は51・2%、17・9%。2019年度のがん罹患数の順位は1.大腸、2.肺、3.胃、4.乳房、5.前立腺。2021年度のがん死亡数の順位では1.肺、2.大腸、3.胃、4.膵臓、5.肝臓となっている▼日経の調査によると例えば今、55歳の男性が70歳までの15年間に何らかのがんと診断される確率は18・0%、同じ年齢の女性では12・7%。この確率は「多分大丈夫だろう」と楽観視できるレベルではないとも言われている。症状が出た後に判明するがんと、そうでないがんもある。全悪性腫瘍の2~3%の腎臓がんは症状が殆どない中で進行し、定期健診では見抜けない厄介なものもある▼筆者も先日、見抜けないがんに罹患しダヴィンチ手術を受けた。定年前後で時間ができ、詳しい全身チェックで偶然に発見できた▼1週間の入院となったが、患者の立場で有意義な経験をした。定年前後や職場転換時に疾患が大病に罹患することがよくあるが、一旦立ち止まり、自分の身体に話しかけてみては。(駆)