東京民医連

ニュース

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 鳩の何とも言えない、穏やかな鳴き声で目覚めることが最近よくある。我が子を起こしているのだろうか?優しい母の声に聞こえるのは自分だけだろうかと問いかけてしまう▼学生時代に学んだ啐啄同時(そったくどうじ)という四字熟語を思い出す。ヒナが卵から産まれ出ようとするとき、殻の内側から殻を突いて音を立てること。これを啐(そつ)と言い、ヒナ鳥のコツコツと殻を内側から突く音を親鳥が聞いて殻を破ること。これを啄(たく)と言い、ヒナ鳥が殻を割って生まれるのを助けることを表した言葉だ。ヒナ鳥が産まれる準備ができ、中から殻を突くと、親鳥がそのタイミングを見計らい外から殻を突く、このようにしてヒナ鳥は産れてくる▼しかし親が早く産まれて欲しいとせかして、先に外から殻を突くと、ヒナ鳥は早く出てきてしまい、健全に育つことができず死んでしまう▼人間の成長にも通じる部分があると感じる。早く自立して欲しい、成長して欲しいと先に外から殻を破ってしまわないよう、穏やかな鳩のように心地よく待ち、タイミングを見計らうことができる人間でありたい。鳩の目覚ましに感謝しつつ、今日も一日穏やかな気持ちでいられますように。(たけ)