東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

ジェンダー平等にみる21年10・31衆議院選挙結果

 10月31日、衆議院選挙で新しい国会議員が選出されました。この選挙にあたって、東京民医連は、コロナ禍でいのちを守れない「政治の病い」を治すための提言を行いました。その一つが「個人の尊厳を大切にし、ジェンダー平等をすすめる」ことです。選挙結果をジェンダー平等の視点からみていきましょう。

 

今回当選した女性議員は45人。 全定数465人のうち9・7%
 自民20/261、公明4/32、立憲民主13/96、共産2/10、維新4/41、国民1/11、れいわ1/3、社民0/1、無所属0/10

 

立候補者数における女性候補の割合は17%
 自民9・8%、公明7・6%、立憲民主18・3%、共産35・4%、維新14・6%、国民29・8%、れいわ23・8%、社民60%、N党33・3%

 

ジェンダーギャップ156か国中120位
 女性議員の割合、立候補者数における女性候補割合ともに低水準でずっと推移しています。こうした中、2018年に「候補者男女均等法」が成立しました。男女を問わず立候補や議員活動等をしやすい環境の整備を政治団体に求めるものです。しかし、この法律には罰則がなく、その後も状況は変わっていません。
 2021年3月にジェンダーギャップ指数2021(世界経済フォーラム)が公表されました。この指数は「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野のデータから作成され、0が完全不平等、1が完全平等を示しています。日本の総合スコアは0・656、順位は156か国中120位(前回は153か国中121位)と先進国で最低レベル、アジア諸国でも韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果です。
 とりわけ「政治」のスコアは156か国中147位(前回は144位)と順位をさらに下げています。国会議員の女性の割合も大臣の女性の割合も10%に過ぎません。

 

改善が求められる女性の経済格差
 こうした背景にあるのが経済的な問題です。「経済」のスコアは156か国中117位と低位であり、管理職の女性の割合が低いこと(14・7%)、女性の72%が労働力になっている一方、パートタイムの職に就いている女性の割合は男性のほぼ2倍であり、女性の平均所得は男性より43・7%低くなっていることが指摘されています。女性の正規雇用、男女平等の賃金、女性が多く働くケア労働分野の低賃金の改善、シングルマザー世帯の支援などが必要です。

 

ねばり強くあきらめず
 今回、市民と野党の共闘は「共通政策」にジェンダー平等を掲げて初めて衆議院選挙をたたかいました。その意義はとても大きなものがあります。一方、「選択的夫婦別姓」ひとつをみても、社会的に受け入れられ、政治的合意により制度化されるまでには、人権に基づく粘り強い運動とともに多くの時間が必要です。
 憲法には「基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果(第97条)」「自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない(第12条)」と謳われています。人権やジェンダー平等の実現は長い道のりです。私たちも医療や介護現場から、人権を大切にした取り組みをたゆまずすすめていきましょう。
※数値等は「共同参画」2021年5月号に基づく