東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

人権としての社会保障交流集会
藤田孝典氏基調講演「情報発信し諦めず要求を」 コロナ禍困窮事例を共有

 11月28日に「第3回人権としての社会保障交流集会」を開催し、WEBも合わせて135人が参加しました。今回はコロナ禍困窮事例を共有し、人権のアンテナ・SDHの視点を磨き、地域での連携の力を高めつつ、たたかいの課題を導き出すことを獲得目標としました。
 基調講演として、NPO法人ほっとプラス理事で生存のためのコロナ対策ネットワーク共同代表の藤田孝典さんに話していただきました。
 藤田さんは、コロナ禍で寄せられる相談の特徴として、「労働問題に起因した生活困窮があり、労働問題と貧困問題が地続き」であること、飲食・小売・宿泊・観光に非正規女性労働者が多く「家計自立型の女性労働者」が増えていることから「女性の相談が顕著」となっていることをあげ、「失業保険の切れる年末にかけて大量の女性困窮者が出る」懸念があると強調されました。
 私たちが、医療や介護現場で起こっている問題をSNSなどで情報発信し、多くの人と共有して政府や自治体に要求していくことが大切であること。あわせて、藤田さんたちが要求して実現してきたことを示しながら「諦めずに要求していけば実現すること」を強調し、現場の問題を情報発信し、運動している民医連への期待を話されました。
 続いて、阿部研一郎東京民医連社保委員長が東京民医連に寄せられた「コロナ禍困窮154事例のまとめ」を報告しました。事例の分析から(1)職員のアウトリーチ活動強化、(2)組織としてのソーシャルワーク機能強化、(3)多職種参加の相談活動、(4)共同組織の活動を広げるという4点の重要性を強調しました。
 渋谷直道中野共立病院社会医療室長は、コロナ禍で無料低額診療を適用した事例を報告しました。無権利状態の外国人が多数存在し、現在のところ無料低額診療で救済することしか方法がなかった事例です。本来は国や都の責任で救済すべきで、制度の不備を指摘しました。
 指定演題は5演題。収入減で家賃が払えなくなった事例(鐘ヶ淵訪看)、帰国困難となり経済的困窮で受診できなかった事例(王子生協病院)、コロナ禍で患者に面会できなくなった認知症家族に寄り添った事例(小豆沢病院)、「よろず相談」で詐欺被害救済、こども食堂などの支援に繋げた事例(城南保健生協)、医療費支払い困難を機にフードバンク、家庭相談センターなどの支援に繋げた事例(立川相互ふれあいクリニック)が報告されました。
 参加者からは、「ニュースで聞く貧困・女性の自殺などの背景が分かった」「SNSによる発信で広めていくことが運動のカギになると思った」などの感想が寄せられました。