東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

東京民医連調査でも深刻な実態寄せられる

外出や介護サービスの利用ひかえる高齢者
コロナ感染恐れ-身体機能・認知機能低下
1回の関わりの大切さ痛感

 新型コロナ感染を恐れて、外出や介護サービス利用を控える高齢者も多いですが、身体機能・認知機能の低下が心配です。東京民医連が行った影響調査でも、深刻な実態が寄せられています。ファミリーケアみさとの猪瀬茜さんに聞きました。

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 コロナの影響で、利用自粛が長引けば長引くほど、利用者のADLに不安を感じます。通院していた利用者もコロナが怖いからと家族が拒否し、定期受診に連れて行ってもらえず本人の体調に合った内服が出来なくなっていたり、毎月定期的に来ていたケアマネさんが来訪できなくなったことにより、「来ないんだ」「嫌われたか?」と不安を訴える利用者も少なくありません。
 疾病により一時的にデイサービス利用中止になった方もいます。ある日、訪問すると爪がすごく伸びていて「デイサービスでいつも切ってもらっていたんだ・・・」という気付きもありました。
 「コロナの感染が怖いから」と、週1回のデイサービスを休み、代わりに訪問介護を週1回導入となった利用者がいます(オムツ交換のみの30分)。自宅というのは安心できる場所、自分の好きに過ごせる場所ですが、外に出る機会が減るというのはこんなにレベルが低下するものかと実感しました。
 デイサービスへ行かなくなったことにより、寝ている時間が増え、体力が低下。利用を再開しようとした時には長時間座っていることができなくなったため、元もと通っていたデイサービスへ行けなくなりました。
 さらに、褥瘡があちこちにでき、訪問看護、往診導入になりました。「こんにちは」とあいさつをして背中を触った瞬間、「いたーい!!」と聞いたこともないくらいの大声。小さな背中に赤く大きな褥瘡ができていました。痛みで起きることが難しくなり、寝たきり状態になりました。これでは何を予防しているのか、元も子もありません。
 この間とても感じるのは、医療・介護の様ざまな職種が関わり支えている在宅の利用者の場合、コロナ禍で1カ所欠けただけで命とりにつながってしまうこと。どれだけの人が一人の利用者に関わり支えているのか。関わりは毎日、週1回、月1回と様ざまですが、そのたった1回がどれだけ大切なものになっているのか痛感する毎日です。