東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

東京民医連病院長会議inソウルの報告
健和会理事長 露木静夫

 去る11月8日から10日まで韓国ソウルにおいて、東京民医連病院長会議が開催された。当初沖縄が予定地であったが、いくつかの協議を経て、ソウルを目指すこととなった。私は病院長時代に開催地についての協議にかかわったことから、参加することができた。結果すべて大満足で、盛りだくさんな素晴らしい病院長会議となった。
 多くの方々に面会できたことがまず特筆される。ソウル市健康局長と、そしてなんとソウル市長にも。朴元淳ソウル市長は弁護士で日本への留学経験があり一定の日本語を理解され、投獄経験や韓国と日本の政治社会の違いなどについて述べられた。日本に学ぶことによって韓国はここまでくることができたという発言は、決して外交辞令ではないと受け取ったが、今や日本が韓国から学ぶ点のほうが多いのではとの考えを当方から表明させていただいた。
 その後、女性だけで生協方式のクリニックを運営している医師、医療活動を展開しながら、市民運動や地域活動から始まったネットワークも大切にしているという医師、元気のよい女性保健所長たちと懇談した。韓国の保健所は日本の保健所に地域包括センターと低所得者向けクリニックを併設しているような存在であった。言語障害を持つ人が生活しやすいような地域つくりを治療と共に実践している言語聴覚士。韓国と日本の医療比較の興味深いレクチャーをしてくれた、ビーガン(※)であることを称する教授などなど。面会し会談をする中で、その方がたの考えや活動、地域への理解が深まるのを感じた。
 歴史を学ぶという側面では、西大門刑務所(博物館)と植民地歴史博物館の見学が意義深い。韓国の歴史であり、それはそのまま日本の植民地支配の歴史でもある。若い見学者がたくさんいたが、ある小学生のグループから、なぜこの地を訪れたのか、アベ政治をどう思っているのかとの質問を(韓国の小学生に!!)受けたことは印象的であった。
 東学農民革命(1894年)をテーマとする民衆劇を同時通訳で観劇できる幸せな経験もあった。せりふ、歌、踊りと太鼓などの楽器演奏が渾然一体となった感動的な演劇で、私にとってはソウル市長との会談と並ぶハイライトであった。
 異国の地での食べ物は大切な要素であるが、昼夜の食事はとても考えられたもので、すべてがおいしく、朝鮮半島の酒食の奥深さを感じることができた。
 コーディネートとガイド通訳をしてくれた黄慈恵さんに心から感謝したい。そしてまた、すぐにでも行きたい。
※完全菜食主義者