視角
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「令和初の…」に明け暮れ、安倍首相が「桜を見る会」の疑惑追及から逃げまわる中、2020年を迎えた▼数々の疑惑には答えず、安倍政権は「全世代型社会保障」という名目で、給付と負担の抜本的な見直しに向けた検討をすすめている。社会保障の理念を憲法第25条の国の責任による生活・生存権の保障から、社会保障制度改革推進法による国民相互の助け合いに変質させようとしている▼その具体化として75歳以上の医療費窓口負担の2割負担を新設する方向で調整に入った。介護保険も保険料が上がる一方で、いっそうのサービス抑制や負担増へと制度改悪が狙われている。大企業や富裕層に応分の負担を求めるのではなく、「現在の社会保障は高齢者に偏っている」と世代間の対立をあおっている▼今年の夏まで国民の関心はオリンピックに集まるだろう。そのすきを突いて安倍政権は「骨太方針2020」を発表し、「2040年を展望した社会保障・働き方改革」を推進する構えだ▼今年7月には都知事選挙があり、いつ解散・総選挙があってもおかしくない情勢だ。社会保障切り捨てノーの民意を示し、安心して「子どもを生み育て、働き続け、老いることのできる」社会保障制度をつくり、「東京オリンピックが開かれた2020年、政治の流れが大きく変わった」と歴史に刻む年にしよう。(お)