東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

憲法・いのち・社会保障まもる 10・17国民集会
全国から医療・福祉労働者ら2500人

 10月17日、日比谷野外音楽堂にて国民集会が開催されました。民医連全体では1100人、東京民医連では300人越える参加者となりました。東京民医連を代表し、大日向いずみ健生会副看護部長が国保アンケートを実施した結果から見えてきた地域の実態について、報告と今後の運動について報告を行いました。ご紹介します。

 

“お金で命を差別”の現実
東京・健生会の大日向さんが訴え

 私は東京民医連の健生会で看護師として働いている大日向と申します。
 本日は東京の西部、三多摩地域から、バス2台で友の会、職員あわせて100名で参加しました。
 健生会では病院診療所を利用している国保患者さんのアンケートにとりくみました。とりくむきっかけは、昨年立川市の69歳男性の手遅れ死亡事例でした。国保料は滞納せず払っていたにもかかわらず、年金が4万円しかなく生活費にも困る状況のなか、受診できないまま困り果て、我慢できない痛みとなり受診しましたが、その時は手遅れで入院後2週間で死亡するという痛ましい事例でした。
 アンケートの結果は、7割の人が「国保料は高い」と回答しています。また、「国保料を下げてほしい」だけでなく「自己負担の引き下げ」を求める声も切実です。さらに、「重い時だけ病院に行く」「受診回数を減らす」「家族を優先する」「治療を中断」など受診抑制が様々な形で進行しています。
 回答を寄せていただいた387人のうち29人の方は、国保料を滞納したことがある、あるいは現在滞納していると答え、うち2人は財産を差し押さえられたという方でした。ある方は国保料の滞納だけでなく、多重債務をかかえて生活が立ち行かなくなっていて、弁護士相談につないだ事例でした。
 国は国保に対する国庫負担率をずっと減らし続けてきました。また、各自治体も国保の都道府県化を契機にして国保に対する一般会計からの繰り入れ額を減らし続け、最終的にはなくす方向を打ち出しています。今でさえ国保料と自己負担でギリギリの生活をしている多くの国保患者さんが、医療から完全に排除されかねない事態です。
 私たちはお金で命が差別されてはならない、保険証一枚で必要な医療が受けられる国民皆保険制度をなんとしても守るため、運動とたたかいを続けていきます。
 全国の皆さん、ともに頑張りましょう。