視角
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連休に何冊かの本を読んだ▼「民主主義の死に方」アメリカの民主主義がどのような段階にあるのか。現在のアメリカを対象として書かれているが安倍が首相となっている日本にとっても格好の教科書。民主主義の対立物―独裁は(1)運営のルールを拒否軽視する(2)政治的な対立相手の正当性を拒否する(3)暴力を許容促進する(4)メディアや対立相手の市民的自由を率先して奪う。この視点からトランプがいかに民主主義を死に至らしめているかを明らかにしているが、それは日本でもなんと当てはまることか。国会運営ルールの破壊、民意無視の沖縄、記者会見からのメディア排除など▼「『社会を変えよう』といわれたら」そんな安倍政権を戦後の歴史から、そして3・11後のさまざまな社会運動を「危機は危機だが、機会でもある」という視点から分析。いまの日本の社会、政治を東アジアの中の日本ということも含めてわかりやすく理解する上で好著。日本の若者と学生の「保守化」は固定的なものでなく、社会のゆくえが見通せないことの表れであり、激動の東アジアの変化の中で「進歩のきざし」として捉える。そして守るべきものに対して変わらなければならないひとつの指針として2018年沖縄県知事選をあげている▼沖縄の戦後からコザ暴動までを描いた小説「宝島」も面白い(T)