東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 平和とは失われて初めてその尊さがわかる類のものであり、平和のうちに暮らしているとき、ひとはことさらにそれに思いをはせることはなく、せいぜい平和ならざる他者の不幸との比較において己の平和を自覚するものなのである(世界大百科事典第2版)▼「平和」を辞典で引いてなるほどと思った記載だが、「比較において」と言っても、多くの人はその「不幸」を体験して比較する訳ではないので、自分の中でその状態を想像できなければ、平和を自覚できないことになる。平和でない時を体験してきた世代が居なくなりつつある今、私たちにできるのは伝聞や資料、他国の状況から平和でない状態をしっかり想像して、そうならないためにどうするか考え続けることだと思う▼米軍事評価機関が発表している世界の軍事力ランキングで、大きな軍事力を持つ上位25カ国の軍事予算を合計すると約132兆円。日本の国家予算の1・4倍程度で、トップは米国で約65兆円とこの額の半分を占める。戦争は平和の対極にあるものだが、前大統領が任期中に10兆円ほど減らしてきた軍事予算を現大統領は元の水準以上に増やす勢い。わが国の首相は、こんな対極にある人をノーベル平和賞に推薦したようだ▼想像力も無ければ当然平和に対する自覚もない首相には、早々にお引き取り願いたいと思う(H)