東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

〈東京民医連第54期〉
第1回 人権としての社会保障運動交流集会
〈54期のテーマ〉「手遅れ死亡事例を生む負の連鎖を断ち切り、いのちと健康を守ろう!」
民医連活動の源泉は日常事例に
様々な職種から100人が参加

 東京民医連では54期の社保平和運動のテーマとして「手遅れ死亡事例を生む負の連鎖を断ち切り、いのちと健康を守ろう!」を掲げました。
 それに基づく問題提起・活動交流、具体的活動のスタートとして「第1回人権としての社会保障運動交流集会」を11月28日にラパスホールで開催し、看護師24人、ソーシャルワーカー14人をはじめ、様ざまな職種から100人が参加しました。
 池田誠石和共立病院元事務長の講演では、医局会議の10分間で「死亡事例報告」を行い、そのうちの死体検案事例を調査した結果、身近なところに困窮者がいることが見える化され、職員・友の会をはじめ市長にも共有されたことにより、ソーシャルヴァイタルサインの視点による問診票改善や気に患訪問、男やもめサークルの発足などに発展していることが報告されました。
 日常事例の中にこそ人権を守る、安心できるまちづくりにつながる民医連活動の源泉があり、それを学び考えることの意義が伝わる講演でした。
 交流会への問題提起では、社会保障制度改善、孤立を防ぐ活動を進めるためにも「エビデンス」の明確な「ストーリー」を構築し、行政や議会などへの要請行動をおこなっていくために、県連内に(1)事例分析(2)なんでも相談と自治体交渉(3)孤立を防ぐ3つのチームを作り、課題を探究するとの提起がされました。
 活動交流では(1)宮脇さおり大田病院看護師より、手遅れ事例へのかかわりを通して、社会的課題が明らかになった報告(2)渡邉由絵中野共立病院総師長より、亡くなった全事例を職責者会議で分析する取り組みや、外来問診票に経済問題項目を追加した経緯の報告(3)森松伸治東京ほくと医療生協組織課長より、なんでも相談会の取り組みと行政への対話応答型の要請行動(4)石田美恵ケアサポートセンター千住所長より、制度改悪による深刻な実態に抗する実践報告(5)文京区社会保障推進協議会の本多桜子地域福祉コーディネーターより、地域で深刻化する生活課題の中で、地域に入ることを重視し、東京保健生協など地域で活動する多様な団体との連携を意識して取り組んでいるという報告がされました。
 こうした活動に学び、困難を克服しつつ積極的に取り組みたいとの感想も多く寄せられ、社保・平和委員会としても早急にチーム参加者を募り、具体化していきたいと思っています。
(東京民医連事務局次長窪田光)