東京民医連

ニュース

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

春の全医師集会開催
健康の社会的決定要因と社会的処方がテーマ

 4月28日、ホテルベルクラシック東京にて延べ177人の参加(医師69人、歯科医師13人、看護師7人、事務82人、医学生6人)で、春の全医師集会が行われました。
 第1部では、「医療機関で進める健康格差対策と社会的処方」と題し、近藤尚己東京大学大学院医学系研究科准教授が記念講演を行いました。
 近藤准教授は、健康格差を縮小していくためには、「知識啓発」型の支援だと格差が広がってしまう可能性がり、社会・生活環境を向上させ、特に健康に無関心な人にも健康行動を「思わず」起こさせるナッジ戦略(無意識に健康になれるしかけ)の必要性があると、海外の事例なども紹介しながら話されました。
 あわせて「仕掛学」を紹介し、高齢化社会における地域の健康づくりは、社会のなかで役割と居場所を持つことが大切で、つながり作りのための仕掛けを医療・介護の枠を超えた連携の力で進めることが重要であり、「健康で住み続けられるまちづくりを掲げている医療機関は民医連だけ」と、今後の活動に期待を寄せてくださいました。
 指定報告は、医科・歯科3人の医師が行いました。
 木村文平医師(立川相互病院)からは、日本肺癌学会2017年度優秀論文賞、「病理学的に診断した原発性肺癌入院患者2039例の検討~1991年から22年間の地域医療機関における経験~」について。
 吉田心一医師(大田歯科)からは、歯科酷書第3弾「なぜ『口腔崩壊』はなくらないのか」の発表がされ若手医師から感嘆の声が上がっていました。口腔崩壊の実情も現代社会の貧困を反映したショッキングなものであり、改めてSDHの視点で分析することの大切さを実感することができたようです。
 奥野理奈医師(立川相互病院)からは、患者宅を訪問し、地域から求められる医師像を考える企画となった「奨学生合宿~SDHの視点から患者さんと地域を知る~」の発表がされました。
 上村和清医師(東葛病院)佐久間隆貴医師(大田病院)宮田愛子医師(大泉生協病院歯科)より研修の振り返り報告は、新入医師に非常に好評でした。
 第2部では、新たに入職した医師21人、歯科医師4人の歓迎と2年・5年研修を修了した医師、1年・3年研修を修了した歯科医師の修了レセプションが行われました。
 また、6人の奨学生より、京都合宿の報告を中心に「医師って何だろう??」をテーマに学び合った1年間の報告がありました。