３月２日、朝日新聞が「森友学園」への国有地売却問題をめぐり、財務省が学園との契約に関する決裁文書を書き換えた疑いがあると報じて以降、政治的混乱が続いている▼国有財産の私物化という、公人としてあってはならない疑いが公人たちにかけられているが、政府与党は潔白を証明するどころか、真相解明につながる証拠を隠蔽し、事実を知る証人たちに沈黙を強要している▼「加計学園」の獣医学部新設をめぐっても、愛媛県の担当者が３年前に総理大臣官邸を訪問した際のやり取りを記した文書が発覚。当時、総理大臣秘書官だった柳瀬経済産業審議官が面会相手と記載されているが、柳瀬氏は、「記憶の限り、お会いしたことがない」として面会したことを認めていない▼森友・加計学園疑惑、さらには、自衛隊イラク「日報」隠ぺい問題など安倍政権にかかわる疑惑は底なし沼の様相を呈している▼４月５日、米空軍ＣＶ２２オスプレイ５機が米軍横田基地に到着。外務省は米側から通知後３週間、情報を隠ぺいし、国民、地域住民、自治体にも一切知らせなかった▼横田基地の周辺には、５市１町で５１万人が住み、半径３ｋｍ圏内に、３０超の学校がある。訓練区域にはさらに多くの学校がある。▼日本の民主主義が危機に瀕している。あらゆる社会制度の土台が崩れ始めている。（理）