東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

東京で新たな民医連の風を
根岸会長の定期総会あいさつ

 第43回全日本民医連総会が被爆から72年あまり経過した、広島市において開催されたことは誠に意義深いものでした。
 採択された第43期の活動方針では、憲法を守り、改憲の動きをストップさせる3000万署名を進めることと共に、医療介護活動面では42期から提起している医療・介護活動の2つの柱をさらに前進させることが呼びかけられています。
 これらの内容をそれぞれの地域で具体化し、実践していくことが各県連に課せられた任務です。

平和と民主主義を守る運動は健康の前提条件

 いま、民主主義が危機に瀕しています。グローバル経済の暴走とそれを支える新自由主義的政策が世界規模で実施された結果、多くの中産階級が貧困に沈み、社会に対する不満がポピュリズムを生み出しています。ロシア、アメリカ、そして日本。民主主義的な手続きで選ばれた政権ではありますが、いずれもポピュリズムを背景に独裁化を進めています。
 さらに、日本の森友問題における公文書の改ざん問題。これは、みんなで決めたルールをみんなで守るという民主主義の根幹を揺るがす大問題です。フランス革命やアメリカ独立宣言などを経て、国民主権、権力の分立、立憲主義などの民主主義は確立してきたわけですが、その都度、市民が政府を監視すること、民主主義のシステムに市民が積極的に参加すべきことを強調しています。それは日本国憲法第12条に引きつがれており、その条文には「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」とあります。
 私たちが平和を守る運動や社会保障を充実させるための運動へ参加するということは、健康の前提条件としての平和を守ることであり、民主主義を守ることでもあります。それは私たちの医療や介護の現場での仕事と連続した一連の活動であると思います。
 全日本民医連の第43期運動方針の最後に引用されている肥田舜太郎先生の言葉のとおり、今こそ、憲法を学んで一人ひとりがいのちの主人公となる時です。

 

医療介護部門からの情報発信や運動を

 東京ではいま、オリンピックに向けて数かずの大規模開発が行われています。政府は、さらにその先の人口減少社会を見据えて、ヒト・モノ・カネを集中させるスーパーメガリージョン構想を進めようとしており、再開発によって、ゼネコンが何度も儲けられる仕組みになっています。
 リニア新幹線の建設が始まっていますが、総工費は9兆円、運用には原発が一基必要とされています。工事は始まったばかりですが、すでに談合が問題となっています。東京全体が大企業の儲けの場になってしまわないように、高齢者も24時間働けない人も暮らしていける街であり続けられるように、医療介護部門からの情報発信や運動がますます重要になっています。

 

人権が守られ希望ある東京をつくるために

 今総会で第54期の方針を確立し、人権が守られ希望ある街、東京を創るために奮闘しましょう。貧困格差の進行とともに民医連の目指す医療介護の形はますます注目されると考えられ、その意味では民医連運動を拡大していくチャンスでもあります。
 全日本の活動方針ではそれを「民医連の新たな発展期を築こう」と呼びかけています。ここ東京でも新たな民医連の風を吹かせようではありませんか!