東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

受け継ぎ発展させよう!民医連魂
第41回東京民医連看護介護活動交流集会
7分科会で77演題発表
伊藤千尋さんが記念講演

 6月25日、第41回東京民医連看護介護活動研究交流集会がクロスウェーブ府中で行われました。前日夜からの雨にもかかわらず412人の参加者が集まり、午前中は大ホールで記念講演、午後は7つの分科会と2つのポスターセッションが行われ、77演題の発表がありました。
 今回のテーマ【受け継ぎ発展させよう!民医連の魂】は、先輩たちが大切にしてきたことを受け継ぐだけでなく、さらに発展させたいという想いから生まれました。一人ひとりの命の重さ、生きる権利、家族のかたち、看護・介護は利用者・家族の思いのもとに、命と暮らしを守れるのは民医連だからこそ成し得る業だと思います。

 

私たちの意識をどう高めるのか

 記念講演は、2015年9月に安全保障関連法が成立し、まさに今、憲法を改定して戦争ができる国に向かおうとしている政府の動きを世界の人びとはどう見ているのか?日本の誇れる平和憲法を守るためには何が出来るのか?世界各国をめぐり、世界情勢をその目で見てこられた国際ジャーナリストであり、「九条の会」世話人でもある伊藤千尋さんを講師にお招きし、私たちに何が出来るのか、私たちの意識をどう高められるのかを考えるよいきっかけになればと企画しました。講演の内容を少しご紹介します。

■世界が求める平和憲法

 「スペインのカナリヤ諸島やトルコには憲法9条の記念碑があり、『日本の9条が平和の象徴だ』と他国の人びとが言っていること。コスタリカ共和国は、1949年に世界で2番目に平和憲法を制定、1980年代に中米の国の多くが内戦をしていた時にも平和を維持した。すごいのは、『積極的』ということで、自分の国だけ平和であれば良いということではない。1986年オスカル・アリヤス・サンチェス大統領が就任と同時に3つの国を回り、話し合いで内戦をすべて終わらせてしまい、彼は1987年のノーベル平和賞を受賞した。平和憲法を持っている国は、周りの国にも平和を広める義務がある」

■15%理論

 「ベルリンの壁崩壊の時、当初5千人の市民活動を警察や軍が弾圧していた。しかし、市民の数が増えていき、7万人(町の人口の約10%)に達した時、警察や軍は手を出さなくなった。また、9・11アメリカ同時多発テロの直後、メディアでは、『ほとんどの国民が車などにアメリカ国旗を掲げている』と報道していたが、『本当にほとんどの人が国旗を掲げているのだろうか?』と疑問を持ち、実際に街中に立って数えた結果、11―13%の車がアメリカ国旗を掲げており、いくつか交差点を変えてみても同じ結果だった。これらのことから、皆が同じような行動をしているように見える割合が15%だ」と。
 15%の人が動けば世界は変わる!私たち一人ひとりが意識を持ち行動することで世界は変わる、という力強いメッセージをいただきました。

 

 午後からの分科会では、それぞれ民医連らしい発表があり、今後も、私たちのめざす看護の基本となるもの「看護の3つの視点・4つの優点」を軸に、看護・介護を発展させて行きます。
(東葛病院 小菅純子)