東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

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 2代続けて現職知事がカネの問題で辞任、急遽行われた東京都知事選挙だが、結果は及ばなかった。鳥越さんの出馬の理由は「参院選の結果に危機感を抱いた」というものであった。あの美濃部革新都知事が「ストップ・ザ・サトウ!」を掲げ、当時の佐藤首相に対抗する姿勢を鮮明にしたのに似ている。すでに50年近い昔の話でもある▼直前の参議院選挙では野党共闘による一人区での前進、現職閣僚2人の落選、自民も前回比では議席減となるなど与党にとっての痛手も小さくなかった。しかし改憲勢力で憲法改悪の国会発議に必要な3分の2の議席を与えてしまう結果となった▼あらためて4年前に出された自民党憲法改正草案を読み直してみた。現憲法が立憲主義による為政者の権力の制限であるのに対し、この案は国民の行為や義務を求める規定が多く、全く異質なものになっている▼第9条2項では自衛権を明示した。これはつまり個別的自衛権も集団的自衛権も区別なく、条文で規定したものである。さらに国防軍の創設、緊急事態条項など到底容認できない内容となっている▼また、この11月の南スーダンへのPKO部隊の派遣に際し「駆けつけ警護」など、直接戦闘に巻き込まれる危険のある任務も付与される可能性がある。まだまだたたかいをおさめるわけにはいかない。(M)