東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 全日本民医連の「経済的自由による手遅れ死亡事例調査」で、受診が遅れて亡くなった人が、昨年63人にのぼったことが発表された▼これらの方々のうち保険証を取り上げられていた人は53%、無職・非正規などの不安定な収入であった人が65%にのぼった。また保険証を取り上げられた理由として「経済的困窮により保険料が払えなかった」という人が75%を占めた▼国の社会保障削減・雇用改悪政策が貧困層の拡大と保険料等の負担引き上げをひき起こし、受診をためらわせ、命を奪う事態となっている▼国の社会保障抑制による影響は医療介護の現場にもおよぶ。マンパワー不足の穴埋めは職員の過剰労働で支えられ、いまや職員の心と体の疲弊も限界に近い▼医療介護の政策を決めているのも投票で選ばれた人たち。私たちは目の前の患者・利用者に関心を向けることと同じように、この国の政治にも関心を向けなければ、いのちを守ることはできない▼この夏に行われる参院選では憲法「改正」や戦争法の問題、社会保障制度「改革」への是非など、将来の国民に重大な影響を及ぼす政策が議論される▼投票は初めてという若手職員も多いと思う。この国の「主権者」として、候補者の公約やこれまで与党が推し進めてきた政策に賛成か反対かという視点で自ら考え投票にでかけてほしい。(A)