東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 1年ぶりに福島を訪れました。楢葉町の避難指示が解除されたのは9月5日。昨年、仮設住宅で出会った皆さんはどうしているか、どんな思いでいるのか知りたいと思いました。現在、楢葉町に戻った人は元の住民の2割ほど。いわき市に現在も多くの人が避難しています▼除染は進んだといっても、まだまだ線量の高い場所はあり、子どもを持つ若い人たちはもう戻れない。店もなく病院もない。高齢者は帰りたくとも帰れる状況にありません。また帰宅すれば補償は打ち切られます▼生業をなくした人びとは、どうやって生活していけばいいのか。帰るか帰らないかの決断を迫られています。懇談で訪問した仮設住宅の女性は「これからどうしたらいいのかわからない、月日がたつほどに眠れない日々が増えてきて、東電が憎い」と声を震わせて悔しそうに語りました。鬼ごっこができるほど広い農家の一軒家で、何世代もの家族が同居していたくらしはもう戻りません▼福島を訪れた日、川内原発2号機が再稼働されました。この福島の人びとの苦しみをわかっていてのことでしょうか。福島だから起こったのではなく、たまたま福島で起こった事故。二度とこのような事故を起こしてはなりません▼福島を風化させることなく、原発ゼロへのたたかいを粘り強く続けていきましょう。(K)