視角
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▼「嘘を頻繁に繰り返せば、人々はやがて信じる」とは否定された主張を懲りずに何度でも使うナチスの手法だ。安倍首相は安保法制を「米国の母屋から離れに延焼して、その離れから火が日本の家に移ることが明白な場合、米国の離れの消火を日本が行える」と意味不明に喩えた▼首相補佐官や言論封殺発言の作家ら安倍応援団は「国会前に6万人~11万人が押し寄せたとの報道だが、警察発表は5千人未満。道路に溢れない限りそんなに多くの人がいる場はない」「しかも5千人の大半がアルバイト」「中には“政党とテレビ局両方から金をもらった”人がいて、訊くとニートで生保受給者だった」との嘘を垂れ流す▼戦争法案反対運動は燃え上がる一方だ。「戦争と火事は全く別物だし。戦争は火事と違って少しでも他国の戦争に加担すれ自国も危険に晒す。火事は消火すれば解決する。殺し合いは必要ない。戦争は違うよね?殺し合って何万人何十万人何百万人が死んでくんだよ。それに日本が加担するってことだよ」と首相補佐官の消火話を論破した10代の若者が頼もしい▼安倍首相は「総選挙で平和安全法制を整備する審判を受けた」と嘯いたが、実際は「衆院解散はアベノミクスを問う選挙だ」と明言した。古くからいわれる「嘘つきは泥棒の始まり」である。(穂)