東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 現在、「大気汚染医療費助成制度」によって、都内に1年間以上在住している方は「非喫煙」の条件を満たせば、ぜん息医療費が無料となり、この制度は研究者の調査で「症状の改善」と「通院回数の減少」の効果が認められています▼ところが東京都は、この制度への新規申請を今年度末で打ち切り、かつ3年間の経過措置後は本人1割負担とする方針を打ち出しました。打ち切り理由は「大気汚染は改善された」というものです。しかし、依然としてPM2・5は東京都の多くの測定局で環境基準を超え、環境省の調査で自動車排出ガスへの暴露との関連性が認められている学童のぜん息発症も増加しています▼PM2・5といえば、中国からの飛来だけが報道され、国内で発生したものについての言及がありません。中国の大気汚染はすごいため、西日本などは中国飛来の影響を強く受けていますが、東京の場合、PM2・5が高濃度になる時は逆転層などで大気が安定的な状態にあることが大きく影響し、中国から大量に飛来する風が強い時期は拡散して高濃度になりにくいため、高濃度時は中国飛来ではなく国内発生が大きく寄与しています▼東京都はぜん息医療費無料化の制度創設に至った東京大気汚染訴訟の和解時の初心にかえって、制度を存続させるべきではないでしょうか。(目)