東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

18人中16人が水俣病と診断
提訴に向け関東水俣病検診実施
10人が対象地域外に居住歴

 5月11日午前9時から、代々木病院で第10回関東水俣病検診を実施し、受診した18人のうちの16人の裁判原告希望者全員が、水俣病と診断されました。
 今回の検診では、東京都7人、神奈川県4人、埼玉県3人、千葉県1人、茨城県1人に診断書が発行されましたが、このうち10人は、国が海上などに理不尽に線引きした指定対象地域の外に居住歴がある方々で、改めて被害の広がりと大きさを認識することとなりました。


若い職員らは現実知り驚き
当日は、医師11人のほか看護師など48人のスタッフが対応に当たりました。診療介助や問診に携わった若い職員の感想では、「自分が生まれる数十年前の、教科書で勉強した『水俣病』が、いまだにこういう状況であることを知って驚いた」「自覚症状を見ていると、日々の生活でもいろいろなことが大変なのがわかった」「社会人としても若い私たちが社会問題を考え行動すること、また医療者としても医療問題について考えることが大切だと思った」など、学びにもなったことがうかがえる内容が多く寄せられました。


未認定救済へ取り組み強化
また、診察した医師からは、全身性の無痛症を伴う重症の方が2人いたことも含め「いまだに重症の方でさえ認定されずに大勢残っているのが不思議だ」「典型的な症状・病歴を持つ方がいまだに認定救済されていないことを知り、裁判などで頑張るべきと改めて感じた」「引き続き頑張りたい」という、今後も積極的に取り組んでいこうという思いが表明されています。


11月23から24日 現地で大検診

 これまでの検診と異なり、裁判提訴で使用する診断書を作成するために診察も事務処理も倍以上の労力が必要となりますが、まだ20人前後の裁判提訴を予定している検診受診予定者がおり、この方々に対する検診実施の準備を進めていく必要があります。また、11月23から24日に、現地で550人規模の大検診が予定されており、ここにも地協から参加する職員を積極的に組織していきます。