東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

ヘルスプロモーション
国際カンファレンスで報告
スペイン・バルセロナで
日本から11病院・組織、29人参加

 4月23~25日、スペインのバルセロナで第22回国際HPHカンファレンスが開催されました。全世界から48ヶ国、739人が参加し、日本からは、11病院・組織から29人、うち東京からは4事業所、医師3人、管理栄養士1人、共同組織4人が参加し、オーラルセッションで1演題、ポスターセッションで5演題を報告しました。
 今回のテーマは「健康をより良い形で促進するために変化を遂げる病院とヘルスサービスの文化」で、組織全体の変革の必要性やヘルスケアでヘルスプロモーション文化を広げるための支援開発の必要性が取り上げられました。

 

「ヘルスリテラシー」
 本会議などで多く取り上げられた言葉はサブテーマの一つである「ヘルスリテラシー」です。ヘルスリテラシーとは、健康面での適切な意思決定に必要な、基本的健康情報やサービスを調べ、得て、理解し、効果的に利用する個人的能力の程度を意味します。
 一方的な情報発信ではなく、言語や理解度が様々な相手に対して正確な情報を届け理解させる方針・文化を持つ組織をどのように作っていくかが強調されました。
 医療者が患者さんに理解できる用語を使って情報提供できているのか? 医学用語を使って伝えた気になっていないか? 職員は患者さんのナビゲーションになれているか? 職員全体で考える必要があると痛感したサブテーマでした。

 

職場での健康づくり
 職場での健康づくりはもう一つのサブテーマ。報告では「病院とは健康を生産する企業であり、所属する医療専門家の健康は提供されるサービスの質に影響を与える」。職員の健康づくりには、組織の各層から参加を得て、管理職のリーダーシップやスタッフへの教育が必要で、それが病院のヘルスプロモーションに関する組織文化を改善するのに効果的な介入だと報告があり、法人や院内でのHPHの取り組みを継続し、強化する必要を再認識しました。

 

行政と一体になり
 バルセロナのある南ヨーロッパではHPHネットワークを立ち上げ、ヘルスプロモーションを行政と一体になりすすめています。それが教育の場にも広がっていることに感心しました。
 HPHの取り組みが多くの医療機関に広がり、さらに自治体を動かすまでになることが理想です。
 日本とほぼ同じさわやかな気候で、歴史的な建造物の多いバルセロナの街で世界のヘルスプロモーションの状況を学ぶことができ、充実した時間でした。
 カンパを寄せていただいた組合員、職員の皆様に感謝しつつ、今後、今回得たことを広げていくために力を尽くしたいと思います。
 来年は6月にノルウェーのオスロで開催されます。
(東京健生病院・小西艶子)