石川会長あいさつ
石川会長あいさつ
代議員の皆さん。東日本大震災、福島第一原発事故から3年が経過しました。東京23区の約2倍の面積にあたる地域がいまだに「人が住めない地域」であり、多くの方が仮設住宅はじめ県内、県外で避難生活を続けています。この3年間に「震災関連死」は3000人をこえ、福島県では地震や津波による直接の死亡者数を上回ってしまいました。政府は原発の再稼動を強引に進めようとしていますが「原発ゼロ」を求める運動は毎週金曜日の官邸前行動、3月9日に3万人以上が集まった「原発ゼロ大統一行動」にみられるように大きな広がりを見せています。昨年の参議院議員選挙では東京選挙区で原発再稼動反対を明確にした共産党および無所属の候補が当選し、2月の東京都知事選挙では宇都宮さんら原発の廃絶を求める候補の得票率は40%に及んでいます。首都、東京から原発ゼロに向けての運動をさらに強めていきましょう。
医療・福祉 充実こそ
東京都知事選挙で宇都宮けんじさんは「大型開発優先の石原・猪瀬都政から、福祉・暮らし第一の都政への転換」「安倍政権の暴走政治ストップ」を訴え前回の得票数を上回る98万2594票(得票率20・18%)を得ました。選挙投票日の朝日新聞による出口調査によれば、投票の際どの政策を最も重視したかという質問に「医療・福祉」が最も多く37%。東京都政の最大の課題は、医療・介護・福祉の充実であることは明確です。しかし当選した舛添氏は、先日の定例都議会で高齢者の医療費助成をもとめる共産党議員の代表質問に対して拒否を表明。また喘息医療費の無料化の存続を求める患者会の面会の要望にすら答えないという冷たい態度です。
先日の東京都監察医務院の報告で、「餓死」と考えられる方が23区内で2003年からの10年間で397人にのぼり、2010年は55人、2011年は60人。23区内で毎週一人が餓死しています。こういう状況を放置させてはなりません。東京民医連として地域の実態・要求をふまえ、医療、福祉を充実させるよう東京都に迫っていきましょう。
自己責任論の嵐の中
新自由主義・競争原理、自己責任の嵐が吹き荒れたこの20年、バブル崩壊後「失われた20年」といわれますが、この間に失われたものはお金ではありません。お金のことしか考えず、大切なものへの国としての資源の投入を怠り、市場主義や競争原理で医療や教育、地域を崩壊させたと言えるのではないでしょうか。東京民医連は地域に依拠し、すべての活動で共同組織とともに前進を続けてきました。病院のリニューアルを見ても、厳しい条件のもとで中野共立病院、みさと健和病院、大田病院、王子生協病院と次々に行なっています。さらに現在、東葛病院、立川相互病院が具体化をはじめています。また水俣検診、大気汚染の問題、原爆症認定集団訴訟などにも積極的に取り組み、原発ゼロの運動、被災地支援、TPP反対、HPHと、さらに運動を広げています。この私たちの活動の源泉は「無差別・平等の医療と福祉の実現をめざす」という民医連綱領にあります。
今回の総会方針では52期の重点課題として、次の点を挙げています。第一に専門医制度の変化への対応方針の確立と、医師確保と育成の課題で民医連の後継者育成を明確にして前進を切り拓くこと。第二に「地域包括ケア」時代の中で事業と組織のあり方をそれにふさわしく見直して、地域連携を含めたポジショニングを行うこと。第三に経営基盤の安定化、第四に県連結集のなかで幹部・後継者の配置・育成を行うことです。また、次期の東京民医連の中長期計画について論議し、策定していかなければなりません。
代議員のみなさんが方針案を豊かなものにするために、分散会、全体会で2日間活発に論議していただきますことをお願いして、理事会を代表してのごあいさつといたします。