東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

水俣病をテーマに医学生ミーティング
現地で奨学生の合宿も予定
民医連の後継者育成へ
水俣病の教訓を福島に伝える架け橋に

 東京民医連が奨学生の学習や成長を位置づけて毎月取り組んでいるのが医学生ミーティングです。2月11日も奨学生をふくむ医学生9人が参加して行われました。
 テーマは水俣病。今回の講師には板井八重子医師(熊本民医連・くわみず病院附属くすのきクリニック院長)と原田敏郎氏(水俣病闘争支援熊本県連絡会会議事務局長)に熊本から来ていただきました。

 

水俣病患者に寄り添って…

 最初に板井医師から「いのちの記憶を託されて 水俣胎児との約束」をテーマに講演がされました。東京保健生協・氷川下セツルメント病院(当時)で研修中に藤野医師と患者さんが訪ねてきて、「水俣診療所に来てほしい」と伝えられたことをきっかけに、初期研修が終わった半年後に内科医として2年間のつもりで水俣へ赴任。
 対処療法を行っても症状の改善は短期間。治らない患者さんと向き合うつらさがありました。しかし在宅リハビリのための献身的な訪問看護で患者さんの感情が豊かになり、機能の改善や希望を失っていた家族に歓迎されるようになりました。
 死産していく胎児の姿をみて、彼らの犠牲を無駄にしないためには被害の事実があってもそれを証明しなければ認知されず歴史に葬り去られてしまう。そのために患者に寄り添い、被害者救済と水銀汚染再発防止のため水俣病と向き合うことになったと語りました。若い世代へのメッセージとして、歴史に埋もれることなく、水俣病とたたかい続けているのはなぜなのか、水俣病の教訓を福島に伝える架け橋になってほしいと結びました。

 

被害者救済の歴史と成果を

 原田敏郎氏からは、「すべての水俣病被害者の救済めざして」をテーマに、これまでの裁判の歴史と勝ち取った成果について講演が行われました。特措法(水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法)では、対象地域や年代に壁をつくり、申請も2年半で打ち切るもので救済にはならないことを指摘しました。過去3回の潜在患者を掘り起こす大検診には全国の民医連から医師、看護師などが参加し、多くの患者さんを申請に結びつけたことも紹介し、被害者がいる限りたたかいは続くと述べました。

 

立場が明確な民医連のよさ

 水俣での奨学生合宿にも参加し、水俣検診活動にボランティアとして参加したことのある奨学生は、誰の立場で医療を行うのか明確なところが民医連のよさであると感想をのべていました。
 東京民医連では、3月に現地水俣での合宿も行います。