東京民医連

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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

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 東京電力福島第一原発のタンクから放射能汚染水が漏れた事故に対し、原子力規制委員会は国際原子力事象評価尺度の暫定評価をレベル1(逸脱)からレベル3(重大な異常事象)に引き上げた。安倍首相は「政府が責任を持って対応し、国内外にしっかりと発信する」と言うが、原発輸出外交を進めるような首相の言葉には素直にうなずけない▼福島県南相馬市から避難した農家の方の手記『避難を余儀なくされて』を読ませていただいた。突然日常を奪われ、住み慣れた土地を離れ、それぞれの家族が散り散りになる。ストレスから健康も害されているという。胸が痛む▼「原発は人生・家族・自然のすべてを取り上げてしまったのです」と。東電に対する怒りは消しようもないが、さらに東電は相当因果関係などという言葉で、家を失った人々の生きてきた尊厳そのものを踏みにじる▼今回の汚染水漏れも収束の見通しすら立たない状況である。原発はトイレのないマンションといわれるが、今は「トイレの壊れたマンション」といわれているらしい。漏れた汚水を止める手立てはなく、周囲にも被害をまき散らす。あらためて原発ゼロへの道しかないと痛感させられる▼手記は最後にこう結ばれる。「事故前の、あのささやかな平凡な幸せと生活を返してください」(T)