東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

視角

 安倍政権が発足して以降、低落傾向の株価はリーマンショック直前の水準を取り戻し、円高だった円相場も安値、政府もマスメディアも「景気回復のきざし」ともてはやすことしきりだ▼内閣府が毎月実施する「街角景気」が10カ月ぶりに好調、実質GDPも昨年10月から12月のマイナス速報を改め0・2%増加へ転じたことがその根拠で、アベノミクスの効果だという▼アベノミクスとは安倍政権と経済学(エコノミクス)をかけあわせた造語、1980年代米レーガン政権の経済政策レーガノミクスをもじったもののようだ。レーガンは金融緩和と同時に医療や福祉を削り軍事費を増やし、規制緩和で膨大な失業者を生み出し、企業に残った労働者にも低い賃金を強いた▼アベノミクスも大幅な金融緩和、大型公共事業への財政支出、規制緩和を軸とする成長路線と、符合する政策だけにうさんくさい。株価の高騰と円安の背景には世界の投機マネーの動きがある。彼らは利ザヤを求めて流れているに過ぎず、株を持たない私たち庶民は裕福になるはずもなく、円安になればさらに物価は上がり家計を苦しめる▼いまこの国に必要なのは将来不安のない社会保障の充実と中低所得層の所得増加で国内の購買力を高めることではないか。6月に都政、7月に国政の新たな選択が待っている。(K)