東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

憲法が生かされるまち・東京を 東京民医連会長 石川 徹

 1961年に「国民皆保険制度」が施行されてから50年が経過しました。国民皆保険制度は憲法25条に基づいて、国民に「いつでも、どこでも、誰でも」平等な医療が受けられることを保障した世界に誇るべき制度です。
 日本はこの50年間に平均寿命や乳幼児死亡率をはじめ様々な健康指標で世界最高レベルを達成してきました。しかし近年の新自由主義、市場原理の導入、社会保障の抑制政策により国民の間に格差が広がり、国保証の取り上げに見られるように必要な医療が受けられない状況が拡大、「医療崩壊」もひきつづき進行しています。民主党による政権においても「社会保障と税の一体改革」やTPP交渉への参加表明などに見られるように、国民皆保険制度は今や崩壊の危機に瀕しています。
 東京都は「東日本大震災における東京都の対応と教訓」を発表しています。東京直下型地震の被害想定として都内で16万人の負傷者の発生(東日本大震災の26・6倍)を想定していますが、対策としては「災害拠点病院・救急医療機関等の安全性を確保し、医療機能を維持する方策を更に進める必要がある」などと述べるのみです。
 東日本大震災の経過の中で明らかになったことはライフラインとしての医療の大切さ、また高齢社会を迎える中、高齢者を支える地域での仕組みづくりの重要性です。東京でも急速に高齢化がすすみ、高齢者の独居世帯や高齢者のみの世帯の増加も著明となるなか対策を急がなければなりません。東京都に対して都民のいのちと暮らしを守る政策を実現させることを引き続き要求していきます。
 日本国憲法の前文では「われらは、全世界の国民が、等しく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに存在する権利を有することを確認する」と高らかに宣言しています。民医連綱領の立場を貫き、医療・介護の活動を強化して、憲法が生かされるまちづくりをすすめ「東京はひとつ」で今年も前進していきましょう。