視角
10月8日(イレバデー)に被災地・仙台で開かれた「いい歯と健康市民講座」を皮切りに、11月8日(イイハデー)までの1カ月、「保険で良い歯科医療実現へ!」の大運動が全国各地で繰り広げられた。「保険で良い歯科医療」署名は11月17日現在、民医連全体で13万筆を超えた▼10月30日、都内で開かれた「歯科医療の危機打開決起集会」には、民医連の歯科医師をはじめ全国から493人の歯科関係者や市民が参加。「安心して歯科治療が受けられるように窓口負担を大幅に軽減させよう」「健康保険で歯科治療が受けられるよう、保険のきく範囲を広げよう」など5項目の決議をあげた▼全国保険医団体連合会が実施した2010年度受診実態調査(有効回答9677事業所)によれば、この半年間で、主に患者の経済的理由から治療を中断または中止する事例が「あった」と答えた事業所は病院23・3%、医科診療所33・6%に対し歯科診療所は51・3%にのぼる。「歯科酷書」で明らかにした「口腔崩壊」は深刻さを増す一方だ▼受診抑制がすすむなか、政府は「混合診療」の全面解禁についてTPP交渉で議論される可能性を認めた。歯科医療の保険範囲の拡大を求める運動と合わせて、公的医療保険制度の崩壊につながるTPPへの参加を阻止しよう。(正)