介護保険改正法案を採択 たたかいの場は参院へ 改悪点 国民に周知ないまま
5月31日、衆院本会議で介護保険改正法案が一部修正され、民主、自民、公明、みんなの党の賛成多数(日本共産党、社民党は反対)で採決されました。
今回の改正法案は、4月5日に急きょ国会上程され、5月中旬より審議が始まり、委員会では10時間という超スピード審議で採択されました。
しかも、国民や利用者にとっても「介護保険制度のどこがどう変わるのか」「利用者の介護サービスがどうなるのか」など大変わかりづらいものです。
要支援者サービス介護保険から外す
短い法案審議の中で大きな問題として浮上した点がいくつかあります。第一に、要支援者のサービスが介護保険制度から外され、新たに「介護予防・日常生活支援総合事業」という、各自治体がおこなう事業に移管されることです。形をかえた給付抑制であり、要支援者の介護サービスを切り捨てる道を開くことになります。
第二に、介護従事者に「喀痰吸引」などの医療行為を認める点です。介護現場では、この機会に他の医療行為も拡大されていくのではないかと不安が広がっており、同時に看護師不足を穴埋めさせるものとの強い批判があります。
その他、利用負担増、介護事業基盤整備の遅れなど制度発足から10年、山積した課題にはまったく手つかずの状況です。引き続き、国会に利用者・家族の声、介護現場の実態や事例を集中していくことが重要です。