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みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

一職場一事例運動で交流会 76人参加、13演題を発表 健生会グループ

地域と深くつながって 友の会からも初めて発表

13事例を報告しあった「一職場一事例運動」交流会
13事例を報告しあった「一職場一事例運動」交流会

 昨年12月17日、健生会グループの「2010年度一職場一事例運動」交流集会が開催されました。この交流会は、07年度から毎年おこなっており、4回目となります。各事業所・友の会から76人が参加し13演題の発表がありました。高齢化と社会保障切り捨ての情勢を反映し、認知症、独居高齢者などで解決が困難な事例が多く出されました。

多かった認知症の事例

 今回は認知症の事例発表が多かったのが特徴の一つです。民生委員から紹介された認知症の独居高齢者を、包括支援センターが地域の関係機関(市の高齢福祉課・成年後見利用支援担当や権利擁護担当職員など)との連携で、試行錯誤しながら支えている事例が報告されました。
 また、認知症患者を介護する家族のSOSを察知して介護困難時の受入れに苦労している事例や、認知症で要介護高齢者の口腔ケア、グループホームや在宅で認知症の方を支えている困難事例などが発表され、独居・認知症のケースが急増していることを共有しました。健生会の枠をこえて地域ぐるみで考えていかなければならない課題も明らかになりました。

自己負担生まない対策

 また、病院で抱える未収金を「どうして未収が起きたのか」と考え、「患者さんが払いたくても払えない」という事情の中で、市役所への連絡を含めた対応マニュアルを作成して、自己負担が発生しない対策をしている事例もありました。
 「家で死にたい」と退院した癌末期で3割の一部負担のある利用者さんへの訪問看護の中で、3割の自己負担はあまりにも重く、訪問回数を減らすか緩和治療薬をやめるかの選択をせざるをえず、自己負担が減らなければ安心して在宅で末期を迎えることも出来ない事例報告もありました。

歯科パンフ地域に配り反響

  歯科が、「保険でよい歯科医療を」の署名活動で歯科パンフを配布し地域に出る中で、歯科パンフを見ましたと対話になり「障害があり口の中がボロボロです。見てもらえますか?」と、治療につながった事例が報告されました。
 友の会からは、独りぼっちの高齢者を地域からなくそうと、独居高齢者が気軽に集まれる〝たまり場(喫茶も)〟を開設した事例や90歳以上の高齢者会員の訪問の事例などが発表されました。
 また、ふれあいクリニックでは、独自に一職場一事例交流会を開催し、その中からグループの交流集会に参加しています。

幅広い取り組み実感

 参加者からは、地域に広く深くつながりつつあることを感じた(医師)。友の会の人達と一緒に取り組んでいくネットワークの大切さを感じた(看護)。日本の貧困をまざまざと見せられた気がする(サ責)。他の職種と協力できる仲間がたくさんいることを改めて実感した(衛生士)。ちょっとしたSOSをつかめるように自分自身のアンテナを高くしていけたらと思う(看護)など、多くの感想が寄せられました。
 友の会からも初めて発表があるなど、幅広い活動が取り組まれていることがよく分かる集会になりました。一職場一事例運動を発展させ、職場と職員の「目と構え」「気づき」の感度を高め、広く社会に発信していくことの大切さを改めて感じました。
(健生会 相川和義)