東京民医連122番目の診療所 クリニック柳島がオープン
東京民医連122番目の診療所 クリニック柳島がオープン
医療・介護連携の要として 地域医療とケア構想 前進への大きな基盤
昨年12月東京民医連122番目の診療所(クリニック柳島)がオープンしました。墨田地域での建設の経過などについて開設法人の健愛会新田専務からの通信を掲載します。
ネットワーク作り
スカイツリーを背に、オープン
した「クリニック柳島」白い建物
健愛会は東都協議会の各事業所とともに千住・柳原・墨田地域における医療と介護・福祉のネットワークづくりをめざした取り組みをすすめてきました。
「墨田区に2カ所目の診療所を」の地域の人々の要望にこたえ、墨田南部地域に診療所等を開設し、地域の人々の医療と介護、健康で安心して住み続けたいという要望に応える地域づくりとして、すみだ健康友の会とともに新たな展開を検討してきました。
歴史ある地域で
歴史的にみても、この業平・横川地域は関東大震災の避難民救済活動を行なったことをきっかけに、東京帝大の学生たちによるセツルメント活動のなかで、「柳島セツルメント医療部」がつくられ、活発な医療活動が行なわれた地域です。
通い・訪問・泊まり
業平医療福祉会館の1階と2階は診療所、3階は介護が必要となった高齢者が、これまでの住まいと同じような感覚を維持できる「通い」「訪問」「泊まり」の3つのサービスが提供できる小規模多機能型施設となっています。
4階から5階は、認知症対応のグループホームなど、新たな「地域における医療・介護連携の要」として展開し、地域で暮らし続けることを支える「オールすみだ」として地域医療とケア構想を前進させる大きな意味を持つ施設となりえます。
空白地域を埋める
開所式であいさつする増子忠道所長(右)
現在の墨田地域の協議会事業所は、すみれ訪問看護ステーション、グループホーム「福さん家」の2施設です。すみだ共立診療所の往診件数は南部地域を一定程度カバーして110件を超え、本来の診療圏内である在宅患者さんの受け入れが困難になっている状況です。また、南部地域の業平はもちろん、向島・京島・押上・駒形・横川の在宅患者さんを受け入れるとともに、すみだ共立、江東、扇橋診療所、それぞれの診療圏からみても空白地域であり、墨田南部の外来・在宅診療を担い、新たな地域医療機関との協力・連携を強めて、緩和ケアや在宅ケアの発展が期待されています。墨田南部地域の外来・往診・介護・福祉を中心とした医療・介護サービス提供の新たな基盤をつくることができると思います。
まちづくりへ協同
2012年から始まる第5期介護保険事業の施策の方向性を視野に入れ、医療・介護・福祉の一体的提供を患者さん利用者さんの視点に立ち、生活を支える地域の拠点づくりが始まりました。あらゆる社会資源・地域資源を活用して、24時間365日を通じて提供される包括ケア構想など共同組織をはじめ、自治体、NPOなどとも協力し墨田区の「地域づくり」「まちづくり」を進めます。
(医療法人財団健愛会 専務・新田達也)