東京民医連

東京民医連のご紹介

みんいれんTOKYO(機関紙)1面の記事の抜粋です

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 11月25日、厚生労働省社会保障審議会介護保険部会は、2012年の介護保険制度改定に向けた意見書をまとめた。公費負担引き上げは行なわず、保険料引き上げと利用者の大幅負担増や軽度者の保険給付外しという「介護の社会化」とは反対の方向だ▼新聞各社の社説は、「負担増は避けられない」(毎日)、「増税なしでは行き詰まる」(朝日)など、国民や利用者の負担増と消費税増税を主張している▼全日本民医連が11月にまとめた「『介護保険10年』検証事例」の420事例中、半数の209事例が経済的な理由でサービスを受けられない事例だ▼先月、介護をよくする東京の会などが実施した「介護110番」には2日間で7500本のコールがあった。「全然つながらない」との苦情の中、実際に対話できた185件は、いずれも深刻な内容だった▼膨大な軍事費などの無駄を仕分けして介護や社会保障への公費負担を増やすことこそ、「国民の生活が第一」をスローガンに政権の座に就いた民主党政府のとるべき道ではないか。厚生労働省は先の意見書をもとに法案をまとめ、来年の通常国会に提出予定だ▼「給付は必要に応じて」「負担は支払い能力に応じて」を貫く介護保険にするため、行政や地域住民を巻き込んだ介護ウェーブの輪をさらに広げよう。(正)