薬学生に“民医連ならではの実習”を 東京民医連
薬学生に“民医連ならではの実習”を 東京民医連
第1期は17薬局、5病院に31人 関東甲信越に広げて「実務実習受入れ交流会」
今年から始まった 薬剤師実務実習
実習で講義と説明を受ける学生さん(右側2人)
医療における医薬品を取り巻く環境の変化に対応し、高い臨床能力、問題解決能力を持つ薬剤師養成が求められ、2006年度から6年制薬学教育がスタートしました。(表1)
6年制の特徴は、4年修了時の共用試験パス後に実務実習事前学習4週間と病院・保険薬局の各11週間の実務実習が行われ、実習修了が薬剤師国家試験の受験資格となります。
いわば、実習受け入れ現場は大学教育の一環であり、実務実習指導薬剤師を取得し、到達目標を掲げた実習モデル・コアカリキュラムに沿い実習内容を準備しなければなりません。
実習期間はIII期に分けられ今年5月から開始され、9月からII期が行われています。
民医連ならではの実習を
2010年度の実務実習はすでに第I期(5月17日~7月30日)が終了しました。東京民医連の受け入れ状況は17薬局21人、5病院10人でした。この実務実習の経験を持ちよって8月7日に関東甲信越で「実務実習受け入れ交流会」が29人の参加で開催されました。交流会では、初めて行われた実務実習についての感想や第II期(9月6日~11月20日)第III期へ向けた取り組みについて活発に意見が交わされました。この交流会では、「学生を指導していく中で、指導薬剤師自身も含めて『薬剤師の仕事とは』ということを考えさせられ良い機会となった」「どの薬局も病院も民医連の特長を生かした実習がされていて参考になった」、全体としては「薬学生にとっては魅力ある実務実習となっているのではないか」という感想が多く出されました。I期は初めての受け入れで手探りで準備も大変だったと思われますが、医療、介護分野の連携を生かした豊かなカリキュラムと体験を重視した実践的な実習への転換をはかる第一歩になりました。全日本民医連ではこの実習にあたり「民医連ならではの実習」を成功させるために『民医連版 保険薬局実務自習受け入れの手引き』を発行しています。
班会にも参加
実務実習は第II期が始まっています。
文京区の「ひかわ調剤薬局」でも2人の実務実習生を受け入れています。
薬局での実習はもちろんですが、老健施設の見学や共同組織の班会など民医連ならではの取り組みを行っています。(表2)
9月9日には東京保健生協の練馬の班会に参加し、初めに学生からお薬手帳の話をし、その後、組合員さんから薬に関する疑問や質問が15個も出されました。
学生からは「初めて班会という地域住民と保険薬局薬剤師との交流の場に参加させてもらい、本当に良い機会となった」「薬をもらいに行かないときでも、もっと薬局の薬剤師に聞けるような流れができたらと思う。そのためにもこういった薬剤師を招いての集まりは、薬剤師と地域住民との距離を近づける大きな力になってくれるのだろう」と感想がありました。