患者居室の危険度を「熱中症計」で把握 東医研 服薬指導の訪問時に助言
東京医療問題研究所(東医研)は、「熱中症は命の問題」「脱水は薬の効果や安全性にも影響を及ぼす」との立場から、7月28日、「携帯型熱中症計」(写真)を持って、訪問服薬指導時に患者さんの居室の危険度を把握する取り組みを8薬局に呼びかけました。
厳重警戒5軒
青葉調剤薬局では、8月17日までに33軒で調査。室温や湿度から熱中症の危険度を判定する「熱中症計」の結果は、A・危険=0軒、B・厳重警戒=5軒、C・警戒=27軒、D・注意=1軒でした。
クーラーは全世帯にありましたが、30度を超える室内で換気だけで過ごす、クーラーが故障していて冷風が出ない、「クーラーで足が痛くなるから」と使用しない、などの事例もあり、様々な助言をして回りました。
東医研は昨年、患者調査で独居が66%(ほとんどが71歳以上)、高齢者のみ世帯13%と、8割が社会的に孤立する可能性が高く様々な支援が必要と実感しました。
視点が広がる
平林代表取締役社長は「今回の訪問調査が機敏に広がった背景に昨年の患者調査がある。職員の患者さんを見る目・社会的視点が広がっている」と話しました。
訪問調査した薬剤師からは、「高齢者は体感温度だけに頼っていては危険。居室には温度計と湿度計が必要ではないか。訪問スタッフも活用でき、予防につながる」との意見も出ています